初めまして。鈴木ユートピアです。
空間デザイナーとして都内の会社で働いています。
これまでに転職を3回経験。
現在は店舗デザイン・ディスプレイ・住宅・展示会・CMやMVの映像美術セットなど幅広くデザインを手掛けています。これまでの経験を活かして、デザイナーを志す人や、デザイナーとして頑張っている人に役立つことを発信できたらと思いこのブログを立ち上げました。
好きなものは文房具、
得意なことはコンセプトづくりです。
今回は自己紹介がてらこれまでの来歴を簡単にご紹介できればと思います。
僕がデザイナーになった経緯
きっかけ (14歳)
「デザイナーになりたいな」と思ったのは中学3年生のとき。
この時は卓球部の幽霊部員で、要するに何もしていませんでした。
遊戯王カードを集めたり、ケータイの無料ゲームで遊んだり。あとは「頭文字D」のアーケードゲームの影響で車が好きな子供時代でした。
そんな中、父に頼んで東京モーターショーに連れて行ってもらったことがありました。これが自分の中な転機になりました。未来的なデザインのコンセプトカーを見るうちに「デザインってすごいな、いいな」と漠然と思うようになりました。
具体的な努力のはじまり(15歳)
将来のことを真剣に考えないとまずいかもしれないと思っていた高校2年生の時。
「情熱大陸」という番組で奥山清之さんというカーデザイナーの回を観ました。
これが僕にとって衝撃的な体験でした。
フェラーリ社で働く日本人デザイナーがたくさんのイタリア人デザイナーを従えて、サインペン1本ですらすらと車のスケッチを描くのを見て「これだ!」と思いました。事務所でも、ちょっとしたカフェでもスケッチブックを取り出して、お気に入りのペンでスラスラと線を繋いでいく。スケッチブックが手元になければその辺の新聞にもスケッチをしてしまう。
自分にできるかできないか、将来性があるかないかという判断より先に、「これになりたい!」と思いました。その時の衝動が今思えば(たどり着いた先が違ったとしても)今に至るまでの最初の一歩だったと思います。
デザイナーになるには美術大学に行くのが良いというので、美大を目指すことにしました。打ち込んでいた陸上部も辞めて。両親に頼んで美術予備校に行かせてもらい、それから丸2年はデッサンと絵具の勉強の日々でした。
学校帰りに美術予備校へ通い、リンゴを描き、やかんを描き、レンガを描き、アボカドを描き、ビール瓶を描き、マルスを描き、ジョルジュを描きました。6Hから6Bまで尖らせた鉛筆をいつも30本くらい持ち歩いて、とにかく描きまくりました。指先にはいつも木炭か絵の具がこびりついていました。
美大で学ぶ(18~22歳)
美大生になりました。
美大なんだから周りは奇人変人、デザインのことで頭がいっぱいの巣窟だと思ったら全然そんなことなくて肩すかしを食らったような気持ちでした。常識的な人ばかりだったし、「なんとなく描くのが好きだから」という理由で入った人や、単に勉強したくなかったからという理由で入った人もいてまずそれがショックだったのを覚えています。
結局40人いたクラスメイトでデザイナーになったのは10人くらいだったと思います。
美大では主に図面の書き方やアイデアの出し方・PCソフトの使い方・デザインの歴史・模型の作り方などを学びました。こんな月並みなことを言っても仕方がないのですが、もっと勉強すれば良かったし、課題に打ち込めば良かったと思います。今振り返って一番ためになったのは提案書の作り方です。自分のデザインにどんな意味があって、どういう利点があるのかを分かりやすく、簡潔に伝えられる資料の作り方、そしてそれを伝えるプレゼンテーションのやり方を学びました。この技術は10年以上たった今でも僕のことを支え続けています。人前で何かを発表するのも怖くなくなりました。
総じて面白い大学生活でした。僕はその合間を縫ってサークル活動に明け暮れてみたり、いくつか恋をしたり、カメラマンのアルバイトをしたり、好きなことを好きなだけさせてもらった気がします。
デザイナーへ(22歳~現在)
結局カーデザイナーにはならず、紆余曲折を経て空間デザイナーになりました。この辺りの経緯はまた違う機会で述べたいと思います。
都内の空間デザインの会社に入って、僕は晴れて空間デザイナーになりました。名刺が配られて”アシスタントデザイナー”という肩書きを見て「なにくそ」と思ったのを覚えています。会社はなかなか良い環境で、覚悟していたアホみたいな残業や理不尽なクライアントは少なく、納得のいく環境で仕事をさせてもらうことができたと記憶しています。
それから転職の3回を経て、現職に至ります。
何度も転職したことでお金が貯まらなかったし、一つ一つの業種について知見を深められなかったかもしれないと思うこともありますが、僕のように広く浅く…というタイプにはむしろ良かったかもしれません。なんとなく色々な分野を知っているデザイナーにはなることができました。
【まとめ】僕の仕事
僕は空間デザイナーなのでデザインしたものが実際に建ちます。
先輩インタビューなどで「困難を乗り越えて実際に建ったものを見た時が一番この仕事をやっていて良かったと思える」という話をよく聞きますが、僕は全然そう思いません。
成果物を見れば粗が目に付きます。粗が目につかないのであればそれがそのデザイナーの限界なのだと考えています。僕は大御所でもなければデザインを極めたわけでもないので、新しくデザインが完成する度に「こんななはずじゃなかった」「もっと綺麗にできたはずだ」と考えてばかりです。自分の意に反してネガティブな性格なのかもしれません(笑)
あそこもっとこうすれば良かった。
もっとやりようがあったんじゃないか。
そんなことを考えているうちに次の仕事はやってきます。次の仕事はどんな内容だろうと胸が高まります。新築住居のインテリアデザイン?美容院の内装?ミュージックビデオの美術セット?
僕は、新しい仕事がはじまってお客さんと最初の話をしている時が一番楽しいです。本当にワクワクする。もっともっとこういうことをしていたい。だから僕は今の仕事が好きです。この仕事の面白さについてもこれから発信していけたらと考えています。改めて、よろしくお願いします。
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